今回の上海滞在で、どうしても行ってみたかったのが「浦東美術館」。近年とても注目を集めている美術館だと聞き、期待をふくらませて出かけました。
黄浦江のほとりに建つ建物は、真っ白で堂々とした外観がとても印象的。中に入ると天井が高く、光がたっぷり差し込む開放的な空間が広がっていて、建築そのものがアートのようでした。

2つの企画展を楽しむ
訪れたときは、ちょうど2つの企画展が開催されていました。
「紅月之後」/ El Anatsui: After the Red Moon
ガーナ出身のアーティスト、エル・アナツイによるインスタレーション作品です。

金属の瓶の蓋や断片を何千枚もつなぎ合わせて作られた大きな作品は、まるで布のようにしなやか。
遠くから眺めると大きな壁のように迫ってきますが、近づいて見ると一つひとつが小さな瓶の蓋だったり、細かい模様が浮かんでいたりして、全く違う印象を受けます。


「全体」と「細部」でこんなに見え方が変わるのが、とても面白かったです。
「締造現代」/ オルセー美術館展
もうひとつの企画展は、フランス・オルセー美術館からやってきた名画の数々。19世紀後半から20世紀初めにかけてのフランス美術が一度に味わえる、とても贅沢な内容でした。

ゴッホやモネといった有名画家の作品が目の前に並んでいるのは、まるでパリの美術館に瞬間移動したような感覚。
展示されていた作品をいくつかご紹介します。
どの作品も撮影OKだったのですが、大勢の方が撮影していて、正面から撮影することが難しい… それがちょっと心残りでした。

ゴッホ 自画像
力強い筆づかいと鋭い眼差しが迫ってきて、画家の内面に触れるような気持ちになりました。

ミレー 落ち穂拾い
田園の風景の中で働く人々の姿。静かでありながら、どこか力強い生命感を感じます。

モネ 積みわら、夏の終わり
柔らかな光に包まれた風景が印象的。モネらしい「光の移ろい」が存分に表れていて、眺めているだけで心が和みました。

マネ 団扇と夫人(ニナ・ド・カリアスの肖像)
洗練された雰囲気の女性像。団扇を手にした姿に、時代の空気とともにエレガンスを感じます。

ボナール 白い猫
くつろぐ猫の姿が愛らしく、思わず笑みがこぼれる作品。この作品が一番印象に残りました。
浦東美術館の魅力は「展示+建築+体験」
浦東美術館は、展示されている作品やアートのような建築を鑑賞するだけでなく、空間を歩き回ること自体が体験になるのが大きな魅力。
美術館からは川沿いの風景や高層ビル群の景観なども楽しめて、外の景色とアートが一体になったような心地よさを味わえます。
そして、今回の「紅月之後」では現代アートのスケール感に圧倒され、「締造現代」では名画の数々を堪能。まったく違うタイプの展示を一度に楽しめるのも、この美術館の大きな魅力だと思います。
アートに詳しくなくても、空間の心地よさや作品の色彩に触れるだけでワクワクできる場所。
上海を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてほしいスポットです。
浦東美術館のチケット購入について
美術館にチケット売場はないため、事前に電子チケットを購入する必要があります。
私は渡航前にTrip.comで購入しました。ほかにも、klook、kkdayなどで購入できます。
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