映画「レンタル・ファミリー」が公開されました。
主演は、「ザ・ホエール」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザー。監督は、ハリウッドを拠点に活躍する日本人監督HIKARI。日本が舞台ですが、邦画ではなくハリウッド映画です。
「日本がどう描かれるのか」
そんな興味から公開初日に鑑賞したところ、想像を超えた感動作!
ほんとうに観てよかったと思いました。

ストーリー
物語の主人公は、東京で暮らすアメリカ人俳優フィリップ(ブレンダン・フレイザー)。
かつてはCM出演で注目を集めたものの、その後はパッとせず停滞する日々。
そんな彼がふとしたきっかけで、“レンタル家族”という仕事に出会います。
依頼人の要望に応じて、父親や夫など、さまざまな役割を演じる――。
それは俳優である彼にとって、ある意味では「演技の延長」ともいえる仕事。でも、現実の誰かの人生に入り込み、存在しないはずの関係を築くという、後ろめたさを感じる役割でもあります。
複雑な思いをかかえながらも、さまざまな依頼人と出会い、役割を演じながら時間を重ねていく。
その中で彼は、人と人との間に生まれるぬくもりや、誰かと心を通わせることの喜びを見出していきます。
“演じているはずの関係”が、いつしか彼自身の心を支えていく――。
この作品は、そんな温かいつながりを丁寧に描いた物語です。
ブレンダン・フレイザーの演技に魅せられる
フィリップを演じたブレンダン・フレイザー。少し悲壮感を漂わせながらの、コミカルな演技が秀逸でした。
とりわけ印象的だったのは、“レンタル家族”として演じているときの表情です。葛藤や戸惑い、そして次第に芽生えていく感情が、言葉以上に表情から伝わってきます。
セリフで説明するのではなく、目の動きやわずかな表情の変化で心の揺れを表現する――。
その繊細な演技に、自然と引き込まれていきました。
心を動かす、二つの出会い
この物語には、核になる二つのエピソードがあります。
ひとつは、父親を知らずに育った少女ミアとの出会い。もうひとつは、年老いた名優・長谷川喜久雄との出会いです。
ミアと過ごすかけがえのない時間
父親を知らずに育った少女ミア(ゴーマン・シャノン・眞陽)。フィリップは“父親役”として、彼女と時間を過ごすことになります。
最初はミアに受け入れてもらえず、どこかぎこちない。でも、一緒に食事をしたり、何気ない会話を重ねたりするうちに、少しずつ距離が縮まっていきます。
「彼女のために自分ができることは何だろう?」
“演じているだけ”のはずだった関係が、いつしか本当の父親のような思いを持つようになり――。
喜久雄との間にうまれた”きずな”
年老いた名優・長谷川喜久雄(柄本明)との出会いは、取材する”記者役”として。
年齢を重ね、表舞台から離れた彼は、フィリップの未来の姿のようにも見えます。俳優として生きてきた者同士だからこそ分かり合えるものがあり、二人の間には、言葉を多く交わさなくても通じ合う空気が流れていました。
互いの孤独に寄り添うように、二人は”きずな”を深めていきます。
そしてフィリップにとって、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけに――。
映像を通して感じた、日本の魅力
この映画はHIKARI監督の強い熱意で、全編日本ロケだったそう。
海外からの視点を持つ監督だからこそ、邦画とはまた違った描かれ方をしていて、見慣れたはずの日本の風景も新鮮に感じました。
観光地としての日本ではなく、日常のさりげない風景や、四季を感じさせる自然が、とても丁寧に描かれています。
ロケ地は主に東京ですが、熊本・天草の場面もあります。はじめて目にする、その雄大な景観に魅了されました。
人と人との間に生まれるぬくもりや、誰かと心を通わせることの喜び。
「レンタル・ファミリー」は観終わると、温かい気持ちになります。
そして、誰かとの何気ないつながりを、大切にしたくなる――。
そんな余韻を残してくれる、素敵な作品でした。
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