映画「木挽町のあだ討ち」――映像の美しさと謎解きに没入する2時間

木挽町のあだ討ち」を鑑賞しました。

直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子さんによる同名小説を映画化した、ミステリー時代劇。冒頭のあだ討ちの場面から一気に物語に引き込まれ、映像の美しさと謎解きに心を奪われる2時間。

極上のミステリーとして、そしてエンターテインメントとして、楽しむことができました。

ストーリー

物語は、江戸・木挽町で起きた「あだ討ち」から始まります。雪の降る中で繰り広げられる、美しくも壮絶なその場面――。

しかし、その見事なあだ討ちは本当に成し遂げられたのか?

舞台は、歌舞伎の芝居小屋「森田座」。そこの人々が、このあだ討ちとどのように関わっているのか?

ひとりひとりの証言や想いが重なりながら、物語は少しずつ真相へと近づいていきます。


主な登場人物とキャスト

主役 加藤総一郎

主役を演じるのは柄本佑さん。妹のいいなずけ・菊之助のあだ討ちに疑問を抱き、真相を解明するため木挽町にやってきます。

あだ討ちの当事者

あだ討ちの使命を背負った若侍・伊納菊之助は、長尾謙杜さん。その美しさと儚さが、物語全体に深い余韻を残します。

あだ討ちの相手となる作兵衛は、北村一輝さん。伊納家に仕えていた下男。主人殺しの罪人として脱藩します。

森田座の人たち

森田座を束ねる戯作者・篠田金治は、渡辺謙さん。菊之助の宿命を知り、ある“策略”を巡らせるキーパーソン。

巧みな口上で客を呼び込む木戸芸者・一八は、瀬戸康史さん。菊之助の世話役として寄り添う存在。

立廻りを振り付ける立師・相良与三郎は、滝藤賢一さん。あだ討ちのための剣術を指南します。

元女形で、衣装係の芳澤ほたるは、高橋和也さん。あだ討ちに臨む菊之助に、先代の形見である赤い振袖を託します。

寡黙な小道具方・久蔵は、正名僕蔵さん。女房のお与根(イモトアヤコさん)と暮らす家に、菊之助を居候させていた人物。


冒頭から心をつかまれる映像美

何より印象に残るのが、冒頭のあだ討ちのシーンです。

白い雪景色鮮やかな赤い振袖色とりどりの傘
その美しさに、目をうばわれます。

静けさの中で対峙する二人の姿もまた美しく、そして始まる見事なあだ討ちの場面。

映像の美しさは、この映画の大きな魅力です。


「本当にあだ討ちは果たされたのか?」という謎

しかし、その見事な場面を見たあと、ふと疑問が残ります。

――本当に、これは「あだ討ち」だったのか?

物語はそこから一気にミステリーの様相を帯びていきます。

柄本佑さん演じる加 総一郎とともに、登場人物たちの証言や行動を追いながら、「何が真実なのか」を考えたくなる構成が見事でした。


あだ討ちに関わる「森田座」の人たち

舞台となるのは、歌舞伎の芝居小屋「森田座」

華やかな舞台の裏側で、人々がそれぞれの事情や想いを抱えながら生きている姿が描かれます。

あだ討ちに関わる森田座の人たちは、みなとてもまっすぐ。だからこそ、時にぶつかり、すれ違いながらも、それぞれが自分なりの答えを探し、最後にはやり遂げる!

その姿に、ときにクスッと笑ったり、ハラハラしたり、そして気づけば胸が熱くなっていました。


絶妙なキャスティング、演技に見惚れる

この映画のキャスティングは、見事というしかありません。それぞれの個性がうまく役にハマっていて、すべての役者さんが輝いてみえました。

特に印象に残ったのが、柄本佑さん、長尾謙杜さん、北村一輝さん、高橋和也さん。

柄本佑さん演じる加藤総一郎は、飄々とした雰囲気のなかに、聡明さと、人たらしの素養を感じます。この役を演じるとき、”刑事コロンボ”を意識したそう。納得でした。

長尾謙杜さんは、美しく無垢な役柄が本人そのままなのではと思うほどハマり役。森田座の人たちとの交わりのなかで、成長していく姿もよかった。観客を魅了する素晴らしい演技でした。

北村一輝さんは、”悪”の顔と”善”の顔を、同一人物とは思えないほど、見事に演じ分けていました。そして、”変”顔の場面も。お見事でした!

元女形という役どころの高橋和也さん。スクリーンに初めて登場したときは、「えっ、本当に女形だったの」と、その見た目にクスッと笑ってしまった。でも、そのうち愛らしく思えてきて…。演技も突き抜けていて、一番印象に残りました。


美しい映像、引き込まれる謎解き、そして役者さんたちの見事な演技。それらの魅力が重なり合った、とても素敵な作品でした。

「あだ討ち」とは何だったのか――
その答えを見届けたときに、温かい気持ちがわいてきます。

気になっている方は、ぜひ劇場で体験してみてください。

▶映画「木挽町のあだ討ち」公式サイト 映画『木挽町のあだ討ち』公式サイト | 2026.2.27 fri


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