定年を迎えるというのは、ひとつの区切りであり、同時に新しいスタートでもあります。
けれどその始まりが、「給与は半分」という現実から始まるとしたら——。
私自身、定年後の再雇用を前に、さまざまな感情が渦巻きました。
今回は、そんな“モヤモヤ”を感じた当時のこと、そしていまだからこそ思えることを、少し振り返ってみたいと思います。
定年を前にして伝えられた「新しい制度」
5年前、私は定年を目前にしていました。
そんなある日、人事から再雇用制度の説明がありました。
- 60歳以降は1年契約の嘱託社員
- 契約更新は65歳まで
- 役職は外れる
- 給与は半分以下に
- ただし最初の1年だけは現状維持
それまで私の会社では、60歳を過ぎても役職のまま働き続けられる制度がありました。
それが会社の魅力でもあったのに——私の定年のタイミングで制度が大きく変わってしまった。
急な制度変更だったので、1年だけ役職も給与も現状維持。その後は・・・
「こんなはずじゃなかったなぁ」と、ちょっと残念な気持ちにもなりました。
給与が減ること、わかってはいたけれど・・・
人事制度の変更については、少し前から情報が出ていましたし、「時代の流れだから」と理解していたつもりでした。
でも、実際に提示された給与額を見たとき。
その金額は、以前の半分以下。
「うーん、これはなかなかインパクトあるなぁ」と、正直動揺しました。
60歳を過ぎたからといって、急に能力が下がるわけじゃない。
どこか釈然としない思いが残りました。
モヤモヤの正体は?
一番モヤモヤしたのは、給与という「報酬」に対して、会社が自分に何を期待しているのかが見えにくくなったことです。
「管理職ではなくなるけど、経験はある。じゃあ自分に求められるのは何?」
その答えがはっきりしないまま、手探りで働く日々が始まりました。
それでも、働き続けてよかった!
再雇用で働き続けることを選んだのは自分自身。
その選択に、後悔はありません。
むしろ、振り返ってみると「働き続けてよかった!」と心から思っています。
確かに、最初は戸惑いや葛藤もありました。
でも、再雇用という形であっても、自分の居場所を見つけられたこと。
それが、何よりの収穫でした。
給与が減った現実はたしかに重い。でも、それ以上に大切なものも見えてきた。
モヤモヤは、次への一歩を踏み出すために必要な感情だったのかもしれません。
今回書ききれなかった「モヤモヤ」の続き。
給与以外にもいろいろな葛藤がありました。
その話は、また次回に。
再雇用後の給与、実際にどれくらい減った?
給与がどれくらい減ったか、額面と手取りそれぞれ計算してみました。
額 面:49%
手取り:54%
給与のほかに、「高年齢雇用継続給付金」も支給されました。それを加算して計算すると、
手取り:63%
「高年齢雇用継続給付金」は、60歳到達時点に比べて賃金が75%未満に低下した人に支給されます。雇用保険被保険者で、一定の要件を満たすことが必要です。
提示された給与額をみたときは「あ~、半分以下か」と思いましたが、手取りはそこまで減っていませんね。
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