定年後再雇用のモヤモヤ② 役職から外れたときの心の揺れ

以前、定年後再雇用で「給与が半分になったとき」の気持ちを書きました。

👉 給与が半減したはなし　定年後再雇用のモヤモヤ①｜給与は半分に、そのときに感じたこと

今回は、“役職から外れたこと”のモヤモヤについてです。(モヤモヤがうまく整理できなくて、前回から間があいてしまいました)

定年後も再雇用で働くという選択をした私ですが、実際に働き続けてみると、想像以上に心の揺れがありました。

役職から外れた――そのときの小さな違和感

再雇用後、管理職ではなくなったことで感じた変化。

今まで当たり前のように見えていた社内情報が見れなくなり、会議にも呼ばれなくなっていく。送られてくるメールも少なくなり、「次々とくるメールにうんざりしていたときが懐かしいな～」なんて思いながら…

責任が軽くなった分、「やりがい」が薄れていく感覚がありました。

また、まわりの人たちの対応にも変化が。私をこれまでの役職でみて「〇〇さんなら知っているでしょう」と頼ってくる人もいれば、「もう管理職じゃないから」と距離をとる人もいて――。その微妙な温度差にもモヤモヤしました。

評価制度が追いつかない現実

時代の流れに合わせ、社内の人事制度も変わっていく途上にあったのですが…。定年後再雇用の社員の評価は定年前と変わらず。「これ、今の私の仕事にあてはまるのかな？」と疑問に思うことも。

まだ制度が整っていないのは仕方ないと思いながらも、評価が形だけのような気がしてモヤモヤ。

そこで、「会社に評価されるため」ではなく、「自分の納得のいく働き方をしながら、自分で決めた目標をしっかりやりとげよう」という意識に切り替えるように。

業務の線引きに迷う日々

幸い、担当する業務は自分の希望どおりに。ただ、管理職でない立場として「どこまで責任を持てばいいのか」迷いがありました。

周囲の人も、「前と同じように頼りたい」という思いと、「もう責任は重くないはず」という遠慮が入り混じっていて、私との向き合い方に迷う様子が。

そんな中で救いだったのは、上司がはっきりと私への期待を伝えてくれたこと。迷ったら、上司の期待に立ち返る。そうすることで気持ちも前向きになれました。

定年後再雇用では、もと部下だった方や、これまで関係性のなかった方が上司になって、つき合い方にモヤモヤするという話もよく聞きます。

私の場合は、再雇用後も上司はそれまでと同じ。私の強みや経験をいかせるよう配慮いただけたことは、いま思えば恵まれていたのかもしれません。

モヤモヤが少し解消――正直な気持ちを言葉に

ある日、気のおけないメンバーと打ち合わせをしていて、ちょっと雑談モードに。そのとき、ひとりの後輩から直球の質問が。

後輩

ぶっちゃけ、役職から外れて、それまでと同じ職場で働くってどんな感じなんですか？

「えっ、それ聞く？」とその場にいた全員が思った様子。悪気のないストレートな聞き方に、私は思わず笑ってしまいました。

自分もいずれその立場になる。だから聞きたい。そんな気持ちが伝わってきます。

そこで、正直に答えようと思い、そのときの気持ちを飾らずに言葉にしてみました。

わたし

役職から外れて、最初は解放感でいっぱいだったんだよね。売上や利益の数字に追われたり、クライアントからの厳しい要求に対応したり、日々発生する現場の問題に対処したり。そんな大変さから解き放たれたからね。

それから、役職があがるにつれ、自分の手を動かすことが少なくなって、ちょっとつまらなくなってた。だから、これからは企画を考えたり、資料をつくったり、そんなことをまた自分がやっていいんだと思うと、ちょっと嬉しかった。

でも、「やりがい」はどうかとうと、やっぱり以前のほうがあったかな。組織のビジョンを考え、ビジネス目標を決め、メンバーと一緒に取り組んでいく。その過程でいろいろな問題が起きて大変なことも多いけど、だからこそやりとげたときの達成感は大きかった。

いまは「やりがい」が以前ほど感じられないなかで、「どうやってモチベーションを維持しようか」って、考えながらやってる感じかな。